TONKA ファサード工事

日々の直射日光が強いようで、熱は生菓子の大敵のためオーニングを提案、取り付けました。

また、元々オフィスとして使われていたテナントのため、どこか寂しい印象のファサードでした。

しかし主張が強いのはTONKAさんには合っていない。

ケーキ屋という業種、そしてオーニングとなるとアイキャッチのイメージが強いところ、あえてシンプルな形を提案。

ひっそり静かに佇むお店、素朴で清らかなTONKAさんのイメージにピッタリになったと思います。

家具の追加のセレクトも任せて頂きました。

いつもありがとうございます。

新作のキャロットケーキ。

こちらも最高に美味しかったです🤤

TONKA Instagram

スタッフあべ

外壁何が良い?

建物の外壁。

外壁は外観の大半を占める部分で印象付ける大事な要素です。

外壁、建築用語ではサイディングと言われたりする部分。

どんな種類があるか知ってますか?

ちなみに一般的に1番流通しているのは『窯業系サイディング』というものです。

改めて調べると、セメントと木繊維を板状に加工し、窯で熱処理をしたもの、とあります。

なので色々な模様を付けるとこが出来ます。

レンガ調とか

石目調とか

木調とか

こう見せられれば、あーたしかによく見るかも、と気付けると思います。

ただ、私はその窯業系サイディングが好きではありません。

単純にイミテーション、模造品、言ってしまえば偽物、紛い物です。

基本的には「〇〇調」は使いたくありません。

メリットは安価なことでイニシャルは良いです。

デメリットはランニングコストです。

再塗装や継ぎ目のシーリングの打ち直しなど、意外と大変です。

塗装で耐久性を保たせているようなものです。

そのメンテナンスを怠るとこんな感じ。

剥落してセメント素地が露出してしまい、雨を吸水し、冬は吸水してしまった水が氷となり膨張して、また剥落してしまう。

ここまでなったらもう外壁貼り替えしかありません。

足場を建てて、再塗装を依頼するのはなかなか高額です。

そう言ったことを避けるため、弊社では主に2種類がよく使用されます。

その1、ガルバリウム鋼板。

屋根と同じガルバリウムという高耐久の亜鉛鉄板です。

基本的には20年以上保つと言われています。

メンテナンスが行き届けば40年保つとも。

ガルバリウム鋼板の敵は錆やそれを誘発する埃や汚れ。

なので素材として軒が無い、キューブ状の住宅と相性が良いです。

降雨が汚れを洗い流してくれます。

ただ、全く軒が出ないのは雨漏れの原因になるので、少し軒を出すか、外壁内での防水対策に万全を期します。

SGL鋼板という、マグネシウムを添加したさらに高耐久のガルバリウムも出てきました。

その2、木板張り。

もちろん本物の木材の板です。

「腐らないの?」とよく聞かれます。

「じゃあ神社やお寺は腐ってるの?」

と聞き返すようにしています。

確かに色の変化はします。

それが劣化なのか経年美化なのかはそれぞれだと思いますが。

腐るには3つの要素が揃わないといけません。

・酸素

・栄養

・水分

そのいずれかが欠ければ木材は腐りません。

木材自体が栄養であり、酸素を空気中から無くすことが出来ない。

なら濡れている時間を短くすればいい。

幸いにも現代の住宅は通気工法になっています。

外壁の中が通気されている状態なんです。

なので降雨があれば多少濡れますが、そのうち乾きます。

もし傷んでも部分貼り替え可能ですし、木材に世の中から無くなることは有りません。

窯業系で面倒なことは部分貼り替えが難しかったり、出来ても廃盤になってしまって同じものが無くなっているということが多いことです。

外壁の木材を濡らさないとこが耐久性に寄与するので、屋根の軒を出すことが肝心です。

そして、外壁材の中は透湿防水シートというもので包まれているのですが、それを高耐久のものにするとこです。

黒いのがその透湿防水シートです。

この案件ではウルトというドイツ製で紫外線劣化に強いシートを採用しています。

板の隙間は絶対にあります。

そこから紫外線が侵入しても問題無いことが大事です。

ちなみに世の中的にその3に挙げられる左官壁。

と言っても弊社ではまだ採用例がありません。

写真は名高い伊礼智さんの案件を拝借。

左官は継ぎ目なく、基本的に痛みにくい素材です。

木板外壁と同じように軒を出すべきだと思います。

ただなんと言っても高額。

採用出来ない理由はそれだけです。

デメリットは割れるかもしれないことや、部分塗り増し・塗り替えは難しいので、直したい面を全て直さないといけないとこです。

ただ圧倒的にかっこいいので是非やってみたい仕様です。

とりあえず、基本的にはガルバリウムと木板がバランス良いと思っています。

窯業系は安価である以外メリットはありません。

住宅は一度建ててしまえば長く住むもの。

素材の特性を理解して選ぶとこが大事です。

スタッフあべ

社員旅行・ホテリアアルト

2024年2月末、社員旅行に行きました。

STUDIO DESSERTとして法人となり初の試み。

記念すべき初社員旅行は福島裏磐梯のホテリアアルト!

日本全国の建築事務所、工務店が足を運ぶ聖地的なホテルです。

設計は金山町火葬場と同じ益子義弘さん。

施工は八光建設さん。

見えるもの全てが学び。

全体の空間構成とディテール。

本館と別館、それぞれ1部屋を借りて空間を確かめた。

増築された別館より、リノベされた本館の方が落ち着いて見えて好みなのなんでだろう?と議論したり。

予め連絡して、空室も見学させてもらった。

ディテールには意味を求めていたけど、

見た目、耐久性、施工性、様々あるが、

なんというか「可愛げのディテール」のようなものがあるのだと感じた。

心くすぐる可愛らしさ。

なんのため?と考えるのが愚問のような。

まだ分からない、理解出来ないところにまだまだ設計の面白さがあると思いました。

毎年このような楽しみが会社として催せるよう日々頑張りたいと思います!

スタッフあべ

燕沢の家・外観設計

意匠系(一応)建築設計をしている身として見た目はとても重要視しています。

外観を考えることは、内部を考えることでもある。

ここは景色がいい、木が見えるから窓がいい。

太陽の光を室内に入れて、暖かくしたい。

春秋は通風で気持ちよくしたい。

ただ内側だけで窓配置を考えると外観はチグハグになります。

外観は屋根・壁・窓、この3つの要素で作られていると言っていいですが、窓が最も難しいです。

窓の配置はとても重要です。

さて、本題としたい現在進行中、燕沢の家を見てみましょう。

窓について気をつけたことは主に4つ。

揃える・集める・散らす・付け過ぎない。

角地のため、南と西は特に気をつけました。

南はみんな大好き、太陽光が入る大事な方角。

4つのガラスのサイズを揃えて、集めて、大きく付けました。

写真では1階にも陽が当たってますが、向かいが更地のためです。

いずれ建物が建ったら日差しは期待出来ません。

なので1階には窓を設けず、壁を大きく残しました。

西面は様々なタイプの窓が混在。

北西の造作FIXは1、2階の幅を合わせ、縁取り、中間を黒にすることで大きな1つの窓のように見せています。

ロフトの高窓は換気のため。

高窓でも拭き掃除が出来るよう、ツーアクション窓を選択しました。

1階唯一の掃き出し窓は、引き違い窓を転用して片引きに。

ガラス枠の外には、防犯や日射制御のための格子戸が付きます。

様々役割を持たせてますが、中から見ても景色の良い場所に設けてます。

外観としてはほど良く散らしてます。

2階南西は壁は大きく残せました。

大工さんに丁寧に作っていただいた木の外壁が際立ちます。

ただ、家といえば?と聞かれたら、なんかイメージと違う気もしてきます。

どんなに原則が守られていても、本当に良いのか?

合理的に考えすぎて不細工なのでは?と設計中に不安になることはあります。

なのでどの案件でも、他の設計事務所の仕事などを見て確認し、方針を決定していきます。

最小限住宅(9坪)・増沢洵
スミレアオイハウス(9坪)・小泉誠

燕沢の家は狭小家ゆえ、9坪ハウスを参考にしました。

増沢洵さんの住宅は早くも似てます。

余談ですが、スミレアオイハウスは一棟貸しのゲストハウスとして運営中、9坪の広さが分かるので是非!

fca・堀部安嗣

9坪ハウスは正面の田の字窓が象徴的且つカッコ可愛いので、1階を閉じてもいいのか?と思った時に参考になった建築家の仕事。

壁の残り方がカッコよく、問題ないと判断。

また、スミレアオイハウスは凹凸感が少ないキューブだから愛らしい。

軒を出しては、まとまりが欠くのではとも思ったがそれも問題なさそう。

上記で確認し安心しつつ、外国の住宅や山小屋を参考にしました。

木の外壁でもフラットな仕上がりだったり、窓枠は黒だったり、木製窓だったり。

だきと言われる窓の奥行きがあったり。

外国の建物はカッコ良くて本当に参考になります。

でもそれだけではダメで、日本風土に合うことは守らなければなりません。

そのための参考事例でした。

それをしても大丈夫、と安心出来れば良いだけ。

どんな建物でも、最後は愛着だと思います。

その愛着の大事な要素が外観だと思います。

そしてそれが町並みとなる。

良い家が増えれば町が整う。

そんな、分不相応な大それた事を思いながら設計しています。

スタッフあべ

オーダーデスク

東京に住む姪っ子のためにデスクを作って欲しいと依頼があり制作。

ロフトベッドがあり、下のスペースで使用したい。

サイズ指定だけあり、その他意匠・デザインは一任されました。

シェーカーデザインです。

素材はナラ無垢材・オイル仕上げ。

ツマミは旋盤で制作。

金物は真鍮フック・デッドストック品。

コンパクトに仕上がったデスクは、いわゆる勉強机だけではなく、様々な生活シーンに寄り添ってくれます。

狭いワンルームでも、リビングの脇でも。

誠実な素材を、確かな作りで仕上げるだけ。

そのためにシェーカーデザインを選択しました。

また、引き出しはA4用紙がファイルで入るようになど、現代の生活スケールに合うよう設計しています。

せっかくのオーダー品ですから、末長く使い続けられるよう、デザインも機能性も耐久性も、丈夫で健康なものを作っていきたいです。

スタッフあべ

建築の旅・金山町火葬場

家族葬ホールの設計の依頼があり、近しい施設の名作として、初めて山形県金山町にある火葬場を訪れた。

イグネのような木々の中にある小さな火葬場。

建築家・益子義弘の設計です。

長い車寄せがあり重厚な扉が迎えてくれる。

少し暗い廊下と並木を思わせる列柱があり、印象的な照明計画。

その先に火葬と骨上げを行う広場があり、両側が大きな窓で緑を取り込む。

宗教観のない設計を行なったとのこと。

宗教に関わらず、最後は自然に帰るという暗示であると受け取った。

それが故、仏教的要素は感じず、チャペルのようでもあり、どこか神聖な雰囲気を感じとる。

森に向かってベンチが置かれていた。

森を介して故人と対話するような、

待っている間、お別れの時、悲しくもあり、でも時間は止まることなく流れていく。

おそらく、家族とも離れて静か向き合いたい時間もあるだろう。

そう言った不安を、木々を見て少しでも癒されればという想いも感じる。

悲しさに寄り添う建築であり、

生を全うしたことに賛美を送るような、崇高な気持ちの建築であるように思った。

建築人として、ここを訪れたものは皆ここで焼かれたいと思う、素晴らしい建築でした。

スタッフあべ

連坊のプライベートヘアサロン

昨年施工させていただいた小さなヘアサロンです。

レンガは本来なら床などに使用するが、ベンチの仕上げとして家具で製作。

見慣れた素材でも使い方次第で新鮮に感じます。

レセプションカウンターやベンチの丸テーブルはFRPでシームレスな見た目に。

背面の棚は大容量の収納はもちろんのこと、雑多に見えるスイッチ類の格納や排水管の隠蔽、さらにトイレの出入り口としました。

決して広くない店内にトイレの存在感を薄れさせたかったから。

照明は調光照明をメインに、ヴィンテージや名作をセレクト。

ここのテーマは『塊感』でした。

素材に木やレンガ、天然リノリウムのような普遍的で素朴な素材を使用する一方で、FRPのような近代的な素材、家具のプロポーションやミニマルな納まり、小物でまとめる。

温かみを持たせながら、サロン故に都会的な雰囲気を纏わせることができたと思います。

ロゴデザインは友人でありデザイナーとして活躍する小松大知によるもの。

初めてのコラボレーションも嬉しい出来事でした。

美容室末永

スタッフあべ

2024年 仕事始め

5日より仕事始め。

執筆者あべは辰年の年男なので比較的に気合いが入るスタートです。

年始に能登半島で大地震がありました。

東日本大震災を経験した身からすれば、今現在、不安で不便で毎日怖く苦しい気持ちでいる皆様に、早く平穏な日常が戻ればと願うばかりです。

毎日続く平凡な日常が、こんなに大切で愛おしいことであると思い知らされます。

珠洲市に移住した友人がいるのですが、帰省し石川を離れていたので、無事が確認出来たのが幸いでした。

弊社はオーダー家具屋で、内装屋で、建築設計事務所として活動しています。

意匠デザインは大前提として、やはりこれからは断熱気密はもちろん、耐震性が大事で耐震等級3を標準としたい。

永く住み続けられる家づくり。

ただ、上物である建築をどんなに丈夫に作ろうと、結局はその土地や地盤、地域によって倒壊の危険があることは理解しなければいけません。

土地選びがより一層大切です。

私が新卒で建築事務所に勤めた2011年4月1日。

1番初めにしたのは被災現場の視察でした。

設計者として、この気持ちを忘れてはいけない。

スタッフあべ

エアコンって知ってる?

エアコン、皆さん知ってますよね。

エアーコンディショナーです。

アパートであっても当たり前のように付いていますが、深いところまで知っている人は少ない。

当の私もエアコンの本当の実力を理解したのはここ数年のことです。

本当に詳しい人は他に沢山いるので、触り程度に簡潔に書きます。

すごいところまず1つ目

暖房、冷房、除湿が1つの機械で出来ること

これはよくよく考えるとすごいこと。

夏にも梅雨にも冬にも対応できる万能機です。

すごいところ2つ目

燃費が良い。

ってこと知っている人は意外といない。

石油ストーブなどが1の燃料から1の熱を作るのに対し、エアコンは1の燃料(電気)から7くらいの熱が作れます。

もちろん使い方や環境によりますが少なくとも3くらいにはなります。

3つ目

冒頭で言った3役使えて低燃費な高性能機械なのに安い!

日本のエアコンはとにかく安い。

壁掛けエアコンなら簡単に買い替えも出来ます。

でもエアコンだけじゃ寒くて、石油ストーブの併用してますって人も多いですよね?

それは断熱と気密がないから。

日本の家は基本的に寒い。

充分に断熱と気密がなされていればエアコンだけでポカポカです。

逆説的になりますが、エアコンと太陽だけで暖かく涼しく暮らせる家づくりを前提に設計をしています。

断熱気密と太陽に素直な設計。

エアコンに対してネガティブなイメージを払拭できればと思います。

スタッフあべ

木製サッシのススメ

サッシと言えばどんなものを思い浮かべますか?

たぶん多数の方がアルミ製サッシを思い浮かべると思います。

木製サッシ知ってる?と聞かれれば、おばあちゃんちのガラスがカタカタと鳴るものを思いますか?

サッシは現在、アルミ製、アルミ樹脂複合、樹脂製が主流で、木製や鉄製のような少数派が有ります。

それぞれに見た目や性能といった特性の違いがあって、建物に対する考え方や適材適所で選びます。

その中でも住宅では複合サッシか、樹脂サッシが多くを占めています。

ガラスとの組み合わせもありますが、基本的には断熱性能に優れた樹脂サッシ、見た目に優れた複合サッシとなんとなく大別されています。

そんななか何故木製サッシをすすめるかと言いますと、それらには真似出来ないほどの圧倒的な大開口を作ることが出来るからです。

サッシ枠は戸袋に引き込まれ、この案件は高さ2m×幅3mの大開口になりました。

隣の引き違いサッシは一般的な幅が約1.6mほど。

その大きさの違いが分かると思います。

私の好みとして、外との繋がりを強調し、外に出られるプラン考えます。

そんな時ここぞという所に木製サッシを付けたい。

もちろん課題はあって、既製品ではなく一品物で大型なので高額になります。

コストの配分が肝であり、最低限の家の性能が下回らないことを条件として採用を検討します。

ただやはり満足度はとても高いもの。

大開口なだけでなく、見た目がよく温かみがあり断熱性能も高いです。

「豊かな物は外からやってくる」と言われます。

窓は建築にとても大事なキーとなる要素です。

余裕があれば検討するのはいかがでしょうか?

スタッフあべ