建築、住宅系のブログが何故か多くなってますが、弊社は造作・オーダー家具屋がベースです。
建築事務所さんや工務店さん、個人からも家具製作のご依頼を受けております。
今回仙台のneuk architectsさんより美容室のカウンター什器製作のご依頼を頂きました。

4.4mの圧巻のカウンター。




無垢レッドオーク材×ナラ突板×樹脂モルタル仕上げです。
ウッドショック、ウクライナ×ロシア戦争以来、ホワイトオークの価格が高騰の一途。
当時のブラックウォルナット並みです。
レッドオークはその代わりになり得る頼もしい樹種です。
モルタル部は「モールテックス」、、ではなく左官屋さんの提案するもので。
良い商材はモールテックスだけではありません。
ネームバリューで価値を判断するかはそれぞれですが、多少安価に出来たりします。
職人同士で情報交換、コミュニケーションを図りながら決めました。
そこは餅は餅屋。
「何か良いのある?」と相談すれば何かしらの提案をして貰えます。


カウンターチェアは弊社オリジナル「Hスツール」をベースにリサイズ。
ハイチェアのHスツールなので「Hiスツール」

(なんちゃって)
良い感じに収まりました。
ここからは少しマニアックな話し。


1番高いカウンター天板には実は無垢で20mmくらいの板が入ってます。
(埋没している?)
デザイン上、おそらくマッシブで塊のような感じが意図なのだと予想し、確認してこうさせてもらいました。
このような意匠だと、普通は突板で天板とすることもあるのですが、どうしても耐久性に不安がある。
経年劣化で黒ずみになってしまいます。
突板では研磨、磨き直しが出来ない。
なので天板面はやはり無垢が良い。
しゃくって見付けを3mmとし突板を被せるように納めました。
また、角、出角はヒモで納めました。
突板は無垢板を0.5mmほどにスライスしたベニアのことです。
出角はそれを45度でカットして納めますが、ぶつかったりするとあっという間にハゲてしまう。
ヒモというのは出角に無垢棒を付けることです。
今回は約3mmですが、それでも無垢は無垢。
0.5mmの突板より圧倒的に強度があります。
なので意匠上問題なければ、耐久性重視のヒモで納めさせてもらっています。
何故ヒモというかは謎です…笑
が、「建築知識」にもそう書いてあったので方言などでは無いはずです。
縁取りが出てしまうのが欠点ですが、引きで見れば気になるものでは無いと思っています。
少し細かい話でしたが、依頼者から意匠図面を頂きそれをベースに家具屋として提案することも多いです。
製作する以上、より綺麗に、より丈夫になるよう考えるのが責任だと思いますし、考えてしまうのが性です。
理想、理想以上を具現化出来るように励んでいます。
納品後オーナー様にお会いして、仕事の合間や閉店後もカウンターを見て、腰掛けて過ごす時間が増えているくらい満足しているとお言葉を頂きました。
嬉しい限りです。
ご依頼ありがとうございました。
スタッフあべ