連坊のプライベートヘアサロン

昨年施工させていただいた小さなヘアサロンです。

レンガは本来なら床などに使用するが、ベンチの仕上げとして家具で製作。

見慣れた素材でも使い方次第で新鮮に感じます。

レセプションカウンターやベンチの丸テーブルはFRPでシームレスな見た目に。

背面の棚は大容量の収納はもちろんのこと、雑多に見えるスイッチ類の格納や排水管の隠蔽、さらにトイレの出入り口としました。

決して広くない店内にトイレの存在感を薄れさせたかったから。

照明は調光照明をメインに、ヴィンテージや名作をセレクト。

ここのテーマは『塊感』でした。

素材に木やレンガ、天然リノリウムのような普遍的で素朴な素材を使用する一方で、FRPのような近代的な素材、家具のプロポーションやミニマルな納まり、小物でまとめる。

温かみを持たせながら、サロン故に都会的な雰囲気を纏わせることができたと思います。

ロゴデザインは友人でありデザイナーとして活躍する小松大知によるもの。

初めてのコラボレーションも嬉しい出来事でした。

美容室末永

スタッフあべ

2024年 仕事始め

5日より仕事始め。

執筆者あべは辰年の年男なので比較的に気合いが入るスタートです。

年始に能登半島で大地震がありました。

東日本大震災を経験した身からすれば、今現在、不安で不便で毎日怖く苦しい気持ちでいる皆様に、早く平穏な日常が戻ればと願うばかりです。

毎日続く平凡な日常が、こんなに大切で愛おしいことであると思い知らされます。

珠洲市に移住した友人がいるのですが、帰省し石川を離れていたので、無事が確認出来たのが幸いでした。

弊社はオーダー家具屋で、内装屋で、建築設計事務所として活動しています。

意匠デザインは大前提として、やはりこれからは断熱気密はもちろん、耐震性が大事で耐震等級3を標準としたい。

永く住み続けられる家づくり。

ただ、上物である建築をどんなに丈夫に作ろうと、結局はその土地や地盤、地域によって倒壊の危険があることは理解しなければいけません。

土地選びがより一層大切です。

私が新卒で建築事務所に勤めた2011年4月1日。

1番初めにしたのは被災現場の視察でした。

設計者として、この気持ちを忘れてはいけない。

スタッフあべ

エアコンって知ってる?

エアコン、皆さん知ってますよね。

エアーコンディショナーです。

アパートであっても当たり前のように付いていますが、深いところまで知っている人は少ない。

当の私もエアコンの本当の実力を理解したのはここ数年のことです。

本当に詳しい人は他に沢山いるので、触り程度に簡潔に書きます。

すごいところまず1つ目

暖房、冷房、除湿が1つの機械で出来ること

これはよくよく考えるとすごいこと。

夏にも梅雨にも冬にも対応できる万能機です。

すごいところ2つ目

燃費が良い。

ってこと知っている人は意外といない。

石油ストーブなどが1の燃料から1の熱を作るのに対し、エアコンは1の燃料(電気)から7くらいの熱が作れます。

もちろん使い方や環境によりますが少なくとも3くらいにはなります。

3つ目

冒頭で言った3役使えて低燃費な高性能機械なのに安い!

日本のエアコンはとにかく安い。

壁掛けエアコンなら簡単に買い替えも出来ます。

でもエアコンだけじゃ寒くて、石油ストーブの併用してますって人も多いですよね?

それは断熱と気密がないから。

日本の家は基本的に寒い。

充分に断熱と気密がなされていればエアコンだけでポカポカです。

逆説的になりますが、エアコンと太陽だけで暖かく涼しく暮らせる家づくりを前提に設計をしています。

断熱気密と太陽に素直な設計。

エアコンに対してネガティブなイメージを払拭できればと思います。

スタッフあべ

木製サッシのススメ

サッシと言えばどんなものを思い浮かべますか?

たぶん多数の方がアルミ製サッシを思い浮かべると思います。

木製サッシ知ってる?と聞かれれば、おばあちゃんちのガラスがカタカタと鳴るものを思いますか?

サッシは現在、アルミ製、アルミ樹脂複合、樹脂製が主流で、木製や鉄製のような少数派が有ります。

それぞれに見た目や性能といった特性の違いがあって、建物に対する考え方や適材適所で選びます。

その中でも住宅では複合サッシか、樹脂サッシが多くを占めています。

ガラスとの組み合わせもありますが、基本的には断熱性能に優れた樹脂サッシ、見た目に優れた複合サッシとなんとなく大別されています。

そんななか何故木製サッシをすすめるかと言いますと、それらには真似出来ないほどの圧倒的な大開口を作ることが出来るからです。

サッシ枠は戸袋に引き込まれ、この案件は高さ2m×幅3mの大開口になりました。

隣の引き違いサッシは一般的な幅が約1.6mほど。

その大きさの違いが分かると思います。

私の好みとして、外との繋がりを強調し、外に出られるプラン考えます。

そんな時ここぞという所に木製サッシを付けたい。

もちろん課題はあって、既製品ではなく一品物で大型なので高額になります。

コストの配分が肝であり、最低限の家の性能が下回らないことを条件として採用を検討します。

ただやはり満足度はとても高いもの。

大開口なだけでなく、見た目がよく温かみがあり断熱性能も高いです。

「豊かな物は外からやってくる」と言われます。

窓は建築にとても大事なキーとなる要素です。

余裕があれば検討するのはいかがでしょうか?

スタッフあべ

燕沢の家・上棟式・餅まき

上棟式、そして餅まきをしました。

最近ではなかなかやらなくなった式典。

近所付き合いが希薄となる昨今、家とは、住宅とは、町とはと考える中、こういった人付き合いを大切にしたい。

計画地は古い住宅地の一画。

お年寄りが多く、工事の挨拶も兼ねて。

懐かしく思ってくれるのでは無いかと。

家を建設することは、近所の方々に半年程度騒音や振動などご迷惑をおかけしたりする。

全く申し訳ないとこだと思います。

それでも隣近所の方々に楽しみにしていると言って頂けて嬉しく心助かる。

お陰様で近所の方々、友人知人に沢山集まって頂き楽しく執り行う事ができました。

弊社はこの度式典用に法被を誂えました。

伝統や行事を大事に。

そして楽しくなるように!

背中には木のマーク。

それはある著名なデザイナー、M川Aきら氏に会う機会があり、サラサラっとスケッチして考えてくれたもの。

裏話、経緯を話したくてしょうがない方がいるので聞いてあげて下さい笑

ちなみに上棟式、いくらお金がかかるの?

なんて思いますよね。

上棟式の内容によりますが、今回の費用は約4万円でした。

『内訳』

⚫︎すみ餅とまき餅 1.5万円

⚫︎大工さんへのお礼 2万円

⚫︎餅と共にまいたお菓子とお金 5千円

集まる人数や神主を呼ぶかなどで様々変わると思います。

それでもそのような費用をかけても「やって良かったな」という終わりでした。

新築をお考えの方、やるやらないは自由ですが、やって後悔は無いと思います。

おすすめします!

スタッフあべ

建築の旅・いとう家の住宅

プロダクトデザイナーであり建築家としても活躍する小泉誠さんの設計した住宅を見学しました。

内部は撮影不可だったのでSNSなどから引用させてもらってます。

軒が欲しいとの要望から部分的に下屋を作り、2方向に勾配を付けている。

先に雨樋は無く勾配添いに伝っていく水が集まり、外構で作った浸透枡に落ちる仕組み。

軒先は極限まで薄くするため厚物合板で強度を取り、通気穴のパンチングは○✖️で花のように可愛らしく、小泉さんらしい。

でも合板木口の積層は出しちゃうのね、なんて考えたり。

窓際の腰掛け濡れ縁は壁からの金物で浮いてます、さすがです。

小泉さんお得意のJパネルのジグザグ階段。

隅々まで処理が綺麗、普段はダボで処理するところも今回はほぼ見受けられない。気づいてないだけか?

ぱっと見強度に不安を覚える手すり、裏でビス8点留めしてしっかりとしたものでした。

造作のキッチン。

人工大理石を正面から上面に折って、窓台と手元灯のために連ねる使い方が斬新。

リオタデザインの関本さんが、「小泉さんは線ではなく面で作っている」と言っていたのが思い出される。

引き出し・開き戸と引き手の関係がかなり巧妙で、ノイズレスにコーディネートされている。

キッチンは見た目はもちろん使い勝手を追求するところなのでいつも参考に注目しています。

階段上がった2階の家族共用のスペース。

ペンダントライトがオリジナルで可愛らしい。

ワークデスクにはライン照明を組み込んでいる。

足物は配線のための空間を設けており、甲板との線のやり取りやタップによるコンセントの増設、またルーターも入る仕掛け。

そのため前板は簡単に外れます。

床付近の丸穴が指掛けです。

窓の下枠の作り方も個性的。

下に折り返して、あたかも角材がめり込んでいるような意匠。

空間でも白の空間に木の塊があるとか、塊に塊がめり込むようなことをよくやってるそれなのか?

収納豊富な主寝室。

棚の扉は壁とゾロにし、面を揃えている。

棚は縦4ブロックあるが右の1ブロックは扉を付けクローズにすることで、面の繋がりを強調してるように思う。

故に綺麗で整っている印象。

小泉さんは良くやるが、中段の飾り棚は扉勝ちで天板は負かす。

それだけで塊感が増す。

巾木・大輪や支輪は基本無し。

扉は当たり前だが、棚も天井との取り合いで少し透かして逃げている。

何でもかんでも、透かすのがいいとか、ぶつけるのがいいとか、そういうわけではなさそう。

色は大体白・黒・木でコーディネートするが、日焼けするのを小泉さんは嫌うのか?木部はうっすら、木目を殺さないように白に塗装。

写真はないですが、タイルの納めやカーテンについても綺麗な納まりが満載でした。

今はもう相羽建設さんのYouTubeチャンネルである程度見ることは出来ますが、本当にすごくてびっくりして、改めて空間に身を置く、見る、体験する大切さを感じました。

スタッフ阿部

照明士・花井さんによる勉強会

少し前のブログで照明計画の重要性や難しさを書きました。

そんなことを日々思いつつ、大光電機の花井架津彦さんによる勉強会があったので参加させていただいた。

以前設計した案件の図面を元に、照明士である花井さんならどんな計画を提案するのか教えてもらった。

やはり提案としては照明の灯数を出来るだけ厳選し、沢山つけないことだった。

また間接照明による直射では無い柔らかな光を活用する。

そしてミラータイプのグレアレスダウンライトの使用と集中配灯だった。

建築家・吉村順三の「欲しいのは光であって器具では無い」という格言があるが、間接照明を計画すればまさにそれが表現できる。

ただ、今までその考えに違和感が全くなかったわけでは無い。

間接照明をカッコよく活用し過ぎるのは、どちらかというと少し野暮で田舎っぽい提案をする自分の設計に合っているのか悩むところであった。

店舗感や都会感が、家の安堵感を減らすのでは無いか?と危惧していた。

また器具派とでも言えばよいのか、プロダクトの良さを主張する提案も好きなのでそれがまた難しいところ。

ただ、大光電機のショールームで体感すると確かに心地良さがあるし、目にチラつくようなキツさが無い。

照明灯数を減らすのにも寄与する。

ミラータイプのグレアレスダウンライトも上記と同じで、スタイリッシュ過ぎないかと思う節があった。

そのダウンライトの特性は、夜間の窓への映り込みが少なかったり、点灯していてもそれを感じにくいところ。

つまりは器具の存在感が減る。

調光器の利用も計画に盛り込み、シーンにあった調整が可能にするなど。

この勉強会に参加したおかげで、以前より照明に注目すること、感じることが増えました。

また今まで全然気に留めなかったタイプの器具にも注目するようになった。

どこにいっても照明は身近にある。

良い照明計画、ストレスを感じる照明はどんなときか?など感度高めて行きたいです。

これまでの提案は変わらず好き。

さらに引き出しが増やせたらと思います。

花井さんを知るきっかけとなった、建築系YouTuberげげさんによる対談動画です。

みなさんに見てほしい対談です。

https://m.youtube.com/watch?v=Zv0OYfgbCsM&t=389s

スタッフあべ

TONKA・国見のケーキ屋さん

仙山線、福祉大学駅から徒歩3分くらい。

ケーキ、焼き菓子屋さんの内装施工させていただきました。

オーナーの好みを反映させ、什器・照明や備品はアンティークや古家具でコーディネート。

それらが引き立つよう、建築工事は整えるまでとしました。

古家具古道具が好きなので、このような提案がいつかやりたいと思っていました。

複数件のアンティークショップを回りましたが、どれが良いかと掘り出し、考える時間は楽しいものです。

店舗がオープンしてまだ日が浅く、ペンキ塗りの壁や真鍮の蛇口などが若いですが、もっと時間が経つほどにどんどん経年し良くなると思います。

変化する楽しみがある、それが楽しいと思える感覚は良い物です。

そしてケーキが本当に美味しいです!

ほぼ全種類食べさせてもらいましたが、全部美味しい。

個人的にはスパイスチーズケーキがおすすめです。

お酒と一緒に食べたいやつです。

ゆくゆくイートイン、カフェも考えているそう。

季節、食べ物の旬とともに変化するケーキのラインナップも楽しみですね。

久しぶりに元の物件写真を見ましたがなかなかですね笑

TONKA

仙台市青葉区国見1-19-14

駐車場3台有り

open 金土日月 11時-18時

https://instagram.com/tonka_mame?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

↑インスタアカウントです。

スマートな載せ方がわかりません…

スタッフあべ

眠くなる照明計画のススメ

内装でも住宅の設計でも、1番くらいのに難しいのが照明計画です。

その良し悪しで内装が台無しにもなるし、住い手によっても光の感じ方はまるで違う。

ただ思うことは日本の住宅は明る過ぎる。

戦後の貧しさから脱却し、高度経済成長を経て、明るさこそ正義!豊かさの象徴!のように思われた時代がありました。

その時代から何十年も経過した現在であっても、あまり変わっていないように思います。

そしてそれが当たり前となり、疑問や違和感を感じなくなってしまった。

少なくとも住まいは、そんなに明るくなくて良い。

写真の葛岡の家では、少し少ないかも?と思うくらいの計画で提案しました。

照明器具は多灯分散で、いわゆる40w程度のLED電球が主照明です。

天井にはほぼ照明はありません。

木の板の天井が穴だらけではインテリア的に台無しですし、低い位置で灯りがある方が落ち着くからです。

大昔から焚き火は下にあるのが普通です。

そして太陽は上にある。

だから活動的な時間から就寝に向かうにつれて光の重心は落とすべき。

それが自然であり本能だとおもいます。

そして狙い通り、「家に帰ると眠くなる」とオーナーは言ってくれ満足されています。

眠くなる家とは褒め言葉だと思っています。

あと単純に、オシャレな家って少し暗くないですか?笑

同じインテリアでも少し暗くすると印象って変わるんです。

お金掛けずにオシャレになるし、早寝で健康になる。

そして節電にもなり、良いことづくしです。

建築工事としては控えめにしておくのが大事です。

足らないと思えば、スタンドなりを買えばいい。

その方がインテリアを楽しむ余地があるし、多用途に使えます。

暗いことは悪いことじゃない。

落ち着いた住宅を色んな視点から目指してみましょう。

スタッフあべ

燕沢の家・地鎮祭

4月吉日(もう結構前 汗)

仙台市燕沢にて、新築住宅工事の地鎮祭がありました。

古い住宅地の一角の角地。

北西を公園とその桜並木に囲まれた気持ちの良い場所です。

準防火地域、狭あい道路によるセットバックで敷地面積約24坪の狭さ。

自然を感じる土地であっても、都市計画をヒシヒシと感じます(笑)

そんな土地での都市型住宅でありながら、山小屋のような佇まいのを目指した計画です。

屋根:ガルバリウム鋼板・太陽光パネル設置予定

外壁:杉板張り・付加断熱

窓:木製サッシ・樹脂サッシ・一部防火仕様

準防火地域なのに山小屋風?

木板の外壁なのに燃えないの?

と思われるかもしれませんが、付加断熱(ダブル断熱とも言われたり)をすれば作り方次第で木板外壁でも問題ないという実験結果があり、その仕様を採用しています。

初めから高断熱住宅を目指し、付加断熱予定であったこと。

木板外壁を採用したいという希望が合致した結果です。

ただ窓にとっては防火仕様は大きな制約であり、コストな面でも断熱性能の面でも、そして意匠の面でもなかなかの足かせとなりました。

Ua値は0.37と、もう少しでHEART20のG2だったけど惜しい所。

また北西が公園で、そちらに窓を多く大きく作ったのも影響しています。

が、そこは性能を追うだけではダメで、気持ちの良い所、遠くまで抜けている所、木々が見える所に窓を開けたい。

なので今回はこれで良かったかと思いますし、このような設計を心掛け続けたい。

2階リビングとそこから跳ね出したバルコニーで自然を取り込む。

イメージは吉村順三さんの軽井沢の山荘です。

小さいけど大きく使える、楽しい家になりそうです。

スタッフあべ

追伸

全く久しぶりのブログになってしまいました。

気合いを入れすぎても長続きしませんね。

新しい計画が始まり、また細々とですが更新しますのでお付き合い頂ければ嬉しいです。