葛岡の家 設計の手掛り

漠然と家づくり・設計と言っても、設計者として何に気をつけているのか説明したいと思います。

重要なことは様々あれど1番の要点は「敷地を読む」ことだと思います。

方角はどこを向いていて、周辺環境はどのような土地なのかということ。

その土地はいつどの方角で太陽の日照が得られて、1番景色が良い場所はどこなのかというように。

これから葛岡の家の設計の手掛かりを説明します。

敷地から南を見る
前面道路から敷地をみる

上記写真から分かるように南側には道路を挟み隣家が立ち並んでいます。

計画地は入るために坂道をのぼり旗竿地になります。

そこが目線が抜ける最大のポイントだと読みました。

計画地の入るための道路がある限り、視線が抜ける場所です。

また計画地は斜面地が連なる土地で前面隣家より高い位置にあります。

1階リビングでも申し分ない日照が得られると思いますが、2階リビングにすれば前面隣家の屋根を超え山並みが見られると思いました。

幸いにもお施主様も2階リビングの提案に対し、ネガティブな考えは有りませんでした。

そう言った内容から、土地の長所を伸ばす2階リビングの家の設計に着手しました。

設計するにあたりどのような家が良いか意匠的なヒアリングをすることになり、お施主様が持ってきた沢山の写真に以下のものがありました。

知る人ぞ知る、永田昌民さんが設計した『安曇野の家』です。

丁度その頃は永田昌民さんの著書や作品を読み漁っていた時期だったこともあり、一気に腑に落ちました。

シンプルな屋根の掛け方。

2階リビングと南面の大開口。

威張りのない控えめな佇まい。

本当に住宅のお手本のような名作であり、私も大好きな住宅です。

そしてこちらが今回設計させてもらった『葛岡の家』の外観意匠。

底通するものがお分かりになると思います。

南面には木製サッシで大開口を配置し、その戸袋は木板で外観のアクセントとする。

ソファの位置から南西を見る

全く隣家に邪魔されない遠景も取り込めるプランになりました。

内装に関しては、普遍性が確かであれば好みを反映する形にいつもしています。

今回であれば1階天井は構造体表しで木質とし、造作する建具や家具はラワン合板とし少しレトロな印象にしました。

また少しポップな物も好きだと思ったので、小物選びでそれを反映させました。

弊社は内装を得意としてますので、そう言ったことも今後説明出来ればと思います。

このような流れで肉付けするように具体的にプランニングし提案をします。

その土地の短所を忘れてしまうくらい長所を伸ばす。

土地に対し最適化した住宅を提供することが建築士の腕の見せ所だと思っています。

お施主様のご厚意により4/29、30日にオープンハウス、内覧会を予定しています。

詳細日時は決まり次第公表致します。

スタッフabe

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