
建築家・増沢洵さんが1952年に建築した自邸“最小限住宅”を1999年に家具デザイナーの小泉誠さんがリデザインした“スミレアオイハウス”。
東京都三鷹市にある建坪9坪の小さな家です。
もともと個人住宅だったが2020年に一棟貸しの宿に生まれ変わりました。
ご夫婦と子供2人で暮らしていたそうです。
もう5年前に宿泊したわけだが、丁度コロナが流行り始めたので、ホテルではなく一棟貸し宿に泊まってみようと訪れました。

階段下の玄関から出入りし、直ぐにDK、吹き抜け2階と繋がる。
水回りを除いて、1ルームの構成。
9坪と数字だけ聞くと激せま・狭小なわけだが、それを感じさせない広がり感。

南面に上下で大開口があるのも広がりの効果として大きい。
窓の外は今はビニールハウスですが、当時はもっと緑豊かだったそう。

ダイニングに隣接する和室。
夫婦の寝室、子供が小さい時は4人で寝ているたそう。(仲良し)
昼間は布団を片付けて、プライベートからパブリックに早変わり。
布団のメリットであり、一室多様に使えます。
建具で仕切ることも出来ます。

コンパクトだけど、過不足ない収納力があるキッチン。
壁付けとペニンシュラの作業台。
通路幅は645と狭めですが、それが効率的に作業出来る。


カウンタートップの人工大理石のディテール。
小泉さんらしい、フレーミングする納まり。

出隅の角あて。
今でもやる敢えて誇張するディテール。
図案化するような納まり。

モンドリアンのコンポジションのような幾何学模様的割り付けな洗面所。
天板がメラニンで、多分立ち上がりもメラミンの潔い納まり。
非常にスッキリとしている。
水栓があえて白にすることで愛嬌がある。

絶妙に可愛い便器、たぶん今はない。
ペーパーホルダーが埋め込みなのも可愛い。
が、外周部のため断熱欠損になるので今はちょっと怖い。

腰から上は補修したらしい浴室。
ビス丸出し、他ディテールもあえてなのか?

グローエの水栓、絶妙に可愛い。
もちろん廃盤品だが、こういった物選びの審美眼が小泉さんは長けていると思う。
「え?そんなのあるの!?カタログでは目もくれなかったけど意外と可愛い。」
水栓でも引手でも鍵でも、そう思うことが多い。
関係者の話では、カタログは隅々まで目を通しているらしい。
小泉さんが使うあれはなんだ!?と探した結果、カタログの末の隅っこに書かれていたりする😂


味の出た床板がたまらない。
急に見える階段だけど、手しゃくりがあって意外と怖くない。
9坪狭小だし、急だけど、な割り切りも大事。
この案件を体感することで燕沢自邸のプランは出来ました。(プランは全然違うけど)
スミレアオイハウスは3間×3間=建坪9坪
燕沢自邸は3間×3.5間=建坪約11坪
少しだけ大ききけど、妻にも見てもらえたので納得してくれたと思います。
宿泊者の中には、宿泊だからこの狭さ小ささを面白がるかもしれません。
一泊だけだから許容出来ると思う方もいると思います。
でも20年に渡って住まわれ、その良さを伝えるべく一棟貸し宿にすると決めたオーナーが居ることを改めて考えたい。
“30坪無ければ狭い”
“子供部屋は6畳を2人分”
“浴室や洗面所は広く”
“LDKは◯◯畳欲しい”
などなど
一体、家に何を求めていたのだろうか?
本当に必要ことってなんだ?
“足るを知る”とは。
宿泊させていただいてから丸5年が経過して今思出せるのは、「良い家だったな〜」ということ。
願わくばまた泊まりに行きたいです。
大人気宿でもうなかなか予約は取れませんが。
家を建設をお考えの方がもしこのブログを見ていたら、是非宿泊してみて下さい。
家への価値、感覚が変わると思います。
スタッフあべ