天井高さはいくつ?

どんな家に住みたいですか?

夢のマイホーム(死語?)の購入、または建設することを意識し始めてから、ちゃんと向き合って考える人も少なくないように思います。

その中でも、どんなジャンルの家であろうと、みんなが関心を寄せるのが「天井高」です。

安易な気持ちでスレッズでそんなことにつあて呟いたら、400いいねを超えたのがその関心の高さの現れだと思います。

「天井が高くて広々〜」なんてCM、見たことない人はいないだろう。

天井が高い→広い→良い家、という考えが広まっている。

果たして天井が高い家が良い家なのか???

低い家は良く無い家なのか???

本質を言えば、「狭く感じるのが嫌、同じ平面積でも広がりが欲しい」なのだと思う。

私が敬愛する吉村順三も永田昌民も伊礼智といった住宅作家たちは、可能な範囲で低い天井を好む。

それは何故か。

⚫︎建材に無駄が無く経済設計

⚫︎空間の気積が減ることで冷暖房の効率化

⚫︎軒先が低くなり、外観が良くなる

⚫︎周辺宅地に日陰を作って環境の悪化を招かないため

などなど

吉村順三は「建築と人とが、親しくなれる」と粋なことを言っていた。

「ヒューマンスケール」という言葉も多用したが、親しい距離感のことなのかな?

さて、私はそんな建築家たちにどっぷり影響されているので、狭く・圧迫感を感じないことを前提とし、可能な限り低い天井高での設計に取り入れている。

自邸は2階LDKで、その平天井部と1階の各室は全て2.1m。

ですが、借景を生かした窓の取り方。

2階はロフトがあり屋根なりの勾配天井でメリハリをつける。

またペンダントライトを低めに配置したり、壁面スイッチ類は床から90㎝にして重心を低くしている。

特に寝室は寝るだけでなので出来る限る低くします。

和室は1.85mとかなり低め。

ですが和室は床座が基本で、立つのは移動のみなので身長172㎝の私は問題ありません。

むしろ安心感、籠もり感を狙っています。

フローリングから25㎝高さの小上がりになっているので床下は収納として活用しています。

この特に低い1.85mの場所があるので、対比で2.1mでも広がりを感じます。

天井高さの話しだけでなく、陽当たりよく活動的な明るいところもあれば、落ち着いた暗いところもある。

断熱と空調設備で、安心・安定した温熱環境の部屋もあれば、少し肌寒いけど風を感じる半戸外の気持ちよさもある。

そういった様々なメリハリ。

それらの両立が、豊かな生活を生むと思っています。

スタッフあべ