投稿者「STUDIODESSERT」のアーカイブ

照明士・花井さんによる勉強会

少し前のブログで照明計画の重要性や難しさを書きました。

そんなことを日々思いつつ、大光電機の花井架津彦さんによる勉強会があったので参加させていただいた。

以前設計した案件の図面を元に、照明士である花井さんならどんな計画を提案するのか教えてもらった。

やはり提案としては照明の灯数を出来るだけ厳選し、沢山つけないことだった。

また間接照明による直射では無い柔らかな光を活用する。

そしてミラータイプのグレアレスダウンライトの使用と集中配灯だった。

建築家・吉村順三の「欲しいのは光であって器具では無い」という格言があるが、間接照明を計画すればまさにそれが表現できる。

ただ、今までその考えに違和感が全くなかったわけでは無い。

間接照明をカッコよく活用し過ぎるのは、どちらかというと少し野暮で田舎っぽい提案をする自分の設計に合っているのか悩むところであった。

店舗感や都会感が、家の安堵感を減らすのでは無いか?と危惧していた。

また器具派とでも言えばよいのか、プロダクトの良さを主張する提案も好きなのでそれがまた難しいところ。

ただ、大光電機のショールームで体感すると確かに心地良さがあるし、目にチラつくようなキツさが無い。

照明灯数を減らすのにも寄与する。

ミラータイプのグレアレスダウンライトも上記と同じで、スタイリッシュ過ぎないかと思う節があった。

そのダウンライトの特性は、夜間の窓への映り込みが少なかったり、点灯していてもそれを感じにくいところ。

つまりは器具の存在感が減る。

調光器の利用も計画に盛り込み、シーンにあった調整が可能にするなど。

この勉強会に参加したおかげで、以前より照明に注目すること、感じることが増えました。

また今まで全然気に留めなかったタイプの器具にも注目するようになった。

どこにいっても照明は身近にある。

良い照明計画、ストレスを感じる照明はどんなときか?など感度高めて行きたいです。

これまでの提案は変わらず好き。

さらに引き出しが増やせたらと思います。

花井さんを知るきっかけとなった、建築系YouTuberげげさんによる対談動画です。

みなさんに見てほしい対談です。

https://m.youtube.com/watch?v=Zv0OYfgbCsM&t=389s

スタッフあべ

TONKA・国見のケーキ屋さん

仙山線、福祉大学駅から徒歩3分くらい。

ケーキ、焼き菓子屋さんの内装施工させていただきました。

オーナーの好みを反映させ、什器・照明や備品はアンティークや古家具でコーディネート。

それらが引き立つよう、建築工事は整えるまでとしました。

古家具古道具が好きなので、このような提案がいつかやりたいと思っていました。

複数件のアンティークショップを回りましたが、どれが良いかと掘り出し、考える時間は楽しいものです。

店舗がオープンしてまだ日が浅く、ペンキ塗りの壁や真鍮の蛇口などが若いですが、もっと時間が経つほどにどんどん経年し良くなると思います。

変化する楽しみがある、それが楽しいと思える感覚は良い物です。

そしてケーキが本当に美味しいです!

ほぼ全種類食べさせてもらいましたが、全部美味しい。

個人的にはスパイスチーズケーキがおすすめです。

お酒と一緒に食べたいやつです。

ゆくゆくイートイン、カフェも考えているそう。

季節、食べ物の旬とともに変化するケーキのラインナップも楽しみですね。

久しぶりに元の物件写真を見ましたがなかなかですね笑

TONKA

仙台市青葉区国見1-19-14

駐車場3台有り

open 金土日月 11時-18時

https://instagram.com/tonka_mame?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

↑インスタアカウントです。

スマートな載せ方がわかりません…

スタッフあべ

眠くなる照明計画のススメ

内装でも住宅の設計でも、1番くらいのに難しいのが照明計画です。

その良し悪しで内装が台無しにもなるし、住い手によっても光の感じ方はまるで違う。

ただ思うことは日本の住宅は明る過ぎる。

戦後の貧しさから脱却し、高度経済成長を経て、明るさこそ正義!豊かさの象徴!のように思われた時代がありました。

その時代から何十年も経過した現在であっても、あまり変わっていないように思います。

そしてそれが当たり前となり、疑問や違和感を感じなくなってしまった。

少なくとも住まいは、そんなに明るくなくて良い。

写真の葛岡の家では、少し少ないかも?と思うくらいの計画で提案しました。

照明器具は多灯分散で、いわゆる40w程度のLED電球が主照明です。

天井にはほぼ照明はありません。

木の板の天井が穴だらけではインテリア的に台無しですし、低い位置で灯りがある方が落ち着くからです。

大昔から焚き火は下にあるのが普通です。

そして太陽は上にある。

だから活動的な時間から就寝に向かうにつれて光の重心は落とすべき。

それが自然であり本能だとおもいます。

そして狙い通り、「家に帰ると眠くなる」とオーナーは言ってくれ満足されています。

眠くなる家とは褒め言葉だと思っています。

あと単純に、オシャレな家って少し暗くないですか?笑

同じインテリアでも少し暗くすると印象って変わるんです。

お金掛けずにオシャレになるし、早寝で健康になる。

そして節電にもなり、良いことづくしです。

建築工事としては控えめにしておくのが大事です。

足らないと思えば、スタンドなりを買えばいい。

その方がインテリアを楽しむ余地があるし、多用途に使えます。

暗いことは悪いことじゃない。

落ち着いた住宅を色んな視点から目指してみましょう。

スタッフあべ

燕沢の家・地鎮祭

4月吉日(もう結構前 汗)

仙台市燕沢にて、新築住宅工事の地鎮祭がありました。

古い住宅地の一角の角地。

北西を公園とその桜並木に囲まれた気持ちの良い場所です。

準防火地域、狭あい道路によるセットバックで敷地面積約24坪の狭さ。

自然を感じる土地であっても、都市計画をヒシヒシと感じます(笑)

そんな土地での都市型住宅でありながら、山小屋のような佇まいのを目指した計画です。

屋根:ガルバリウム鋼板・太陽光パネル設置予定

外壁:杉板張り・付加断熱

窓:木製サッシ・樹脂サッシ・一部防火仕様

準防火地域なのに山小屋風?

木板の外壁なのに燃えないの?

と思われるかもしれませんが、付加断熱(ダブル断熱とも言われたり)をすれば作り方次第で木板外壁でも問題ないという実験結果があり、その仕様を採用しています。

初めから高断熱住宅を目指し、付加断熱予定であったこと。

木板外壁を採用したいという希望が合致した結果です。

ただ窓にとっては防火仕様は大きな制約であり、コストな面でも断熱性能の面でも、そして意匠の面でもなかなかの足かせとなりました。

Ua値は0.37と、もう少しでHEART20のG2だったけど惜しい所。

また北西が公園で、そちらに窓を多く大きく作ったのも影響しています。

が、そこは性能を追うだけではダメで、気持ちの良い所、遠くまで抜けている所、木々が見える所に窓を開けたい。

なので今回はこれで良かったかと思いますし、このような設計を心掛け続けたい。

2階リビングとそこから跳ね出したバルコニーで自然を取り込む。

イメージは吉村順三さんの軽井沢の山荘です。

小さいけど大きく使える、楽しい家になりそうです。

スタッフあべ

追伸

全く久しぶりのブログになってしまいました。

気合いを入れすぎても長続きしませんね。

新しい計画が始まり、また細々とですが更新しますのでお付き合い頂ければ嬉しいです。

葛岡の家・小物選び

照明、スイッチプレート、ハンドル、ドアノブなどなど。

最後の空間への味付け?引き締める役割として小物があります。

今回はそんな小物の話し。

普段から気をつけている選定基準は、シンプルで品が有り普遍的なものであることを第1としています。

次いで可愛げがあったり、経年変化を楽しめる物であったりしますが、それは間取り、空間作りの段階で決まる方向性やオーナー様の好みによるところになります。

今回の葛岡の家では可愛げがありレトロな要素があることや、暖かみがあることを特に気をつけて重視しました。

一部をご紹介したいと思います。

定番の所から、開き扉のハンドルと丁番。

ハンドルは堀商店の小型のもの、何十年も昔からある定番品です。

手の平に納まる程小さく可愛らしく、安定感あるラッチ心地?笑

丁番はフランス丁番、オリーブ丁番やナックル丁番と言われる物で丸みがあり可愛いです。

造作家具の引き手つまみ、真鍮でシンプルな物と革製です。

手に触れる金属はコーディネート上問題なければ真鍮を使いたい。

経年変化することから多用する自然素材と相性が良いと思いますし、金属の中では1番親和性が高いと思っています。

革製引き手は上記と共通する所も大いにありますが、普段の動線上だったため引っ掛かりの無いよう敢えて柔らかい素材としました。

その中でも強度や仕上げが1番良いものを選んでいます。

コバの処理がされ、先端は真鍮棒を巻いた小洒落たものです。

トイレペーパーホルダーです。

東京の雑貨屋で社長が密かに仕入れていたスペシャルです。

木製で暖かみがあり、でも形状は既成概念から逸脱したポップなもの。

オーナー様はアパレル勤務で外国にも縁があるのでなんとなく似た雰囲気を感じ即採用を決めました。

次はいつ買えるのか分からない商品です。

ベロが欲しい人要らない人。

真鍮だったり、2連だったり。

ペーパーホルダーは結構好みが別れる所で難しいです。

水栓とスイッチプレート。

水栓はクロスハンドルのレトロなもの。

壁付けなので水垢が付きにくいです。

レバーが1つでもっとシンプルな物もありますが、洗練され過ぎた物は相性が悪いと思い避けました。

今回、スイッチ・コンセントプレートはパナソニック、フルカラーの新金属プレート1型としました。

新金属はレトロな雰囲気を出してくれる上に高耐久です。

2型というビスが見えないもっとシンプルなタイプもあるのですが、何となくシルエットがモタついてしまったり、ビスが見えることが意匠的に良い場合だと思ったので今回は1型を採用。

さらにボタンが1つ場合は正方形のミニプレートという物があり、可愛いと思うので多用しています。

トイレは今回窓が無い作り。

意外と思うかもしれませんが、掃除や断熱の弱点、またはコストの兼ね合いからトイレやお風呂の窓をつけない方が増えています。

でも昼間はある程度明るくしたいので欄間にガラスを入れました。

使用中の表示明かり窓の役割もあります。

そのガラスはレトロな雰囲気のストライプガラスとしました。

今回設計のご依頼していただくにあたり、以前開催したオープンハウスで、このような意匠の建具をご夫婦で気に入ってる様子でした。

また始めの段階から、2階LDKの天井はラワンベニヤもいいねと要望がありました。

そういった要素から、全体の″少しレトロな″に繋がっています。

今回の最後に照明を紹介。

知ってる方にはもうお馴染みのモーガルソケット+裸電球。

シンプルな意匠で交換が楽で、なんと言っても安価です。

電球はLEDで、今は昔と違いシームレスな電球らしい見た目のものが増えました。

クリア球も可愛いのですが、グレア(眩しさ)を嫌うので白いボール球を選んでます。

このように設計する上で自分の定番として沢山のストックはありますが、その中から案件ごとに最適な物を選定しています。

場合によって古物、アンティークの物にも及び納得いくまでとことん探します。

その細かな微妙なニュアンスを汲み取り、組み合わせコーディネートしていきます。

建築にとって空間作りが最も大切で、一般住宅であっても例外ではありません。

それと同じくらい、小物選びはかなり慎重に熟考し吟味しています。

ファッションで例えるならベルトや時計など、アクセサリー選びのような物だと思っています。

空間構成(ジャケット、パンツ)が良くても、そういったところでガッカリすることは多々あります。

空間の最後の良し悪しを決める大事な大事な所です。

されど小物。

気をつけましょう。

スタッフ阿部

建築の旅・上遠野徹自邸

家族旅行で札幌に行き自由時間を確保して建物探訪へ。

札幌の家・設計上遠野徹(自邸)

以前本を読み知り、いつかはと思っていました。

コールテン鋼の鉄骨造の構成に軽やかなアプローチ。

ミースファンデルローエのファンズワース邸を思わせる。

内装は外観の感じとはギャップがあるモダンで温かみがある。

床はコルクタイル、天井はヒバ羽目板。

ヤコブセンランプや家具も相まって北欧の雰囲気。

低めの天井高は複層ガラスの最大寸法から決めたそう。

まだ既製の複層ガラスサッシが無かったためビルサッシのようなオリジナルサッシ。

連窓のアングルに木を仕込む憎い演出。

スチールの冷たさを視覚的に軽減してくれますね。

一風変わった窓があった。

開けてみると引き違いがあり、最奥が滑り出し窓サッシになる。

滑り出し窓の上部は通気のための開口部があり、内倒し板戸で蓋がしてあった。

元は引き違いはなく、そこを開ければ窓を閉めてても通気が取れるような試みだったよう。

防犯や遮光も兼ねていたようです。

開口部廻りの感じからやはり近代建築を感じる。

見付けが小さかったり、壁と一体化するような意図を感じる。

玄関入ってすぐに大きな框引き戸。

外に風除室を作るのではなく室内に作る。

季節に応じて使い分ける、寒冷地ならではの工夫。

堀商店のレバーハンドル。

丁度良いモダンさとレトロ具合。

残念ながら廃盤。

かなりレアなスイッチ。

家具用として売られてたそう。

煉瓦外壁と軒天の納め、少し逃す。

アアルト、コエタロの実験住宅のよう。

表から見えにくいところが賑やか。

手前の月見台は桂離宮からの着想。

煉瓦をLアングルフレームで囲み軽快な納まり。

障子が見えているところは戸袋で本来なら外壁面になるところだが、FIXガラスにインセットで作っている。

まさにカーテンウォール、水平連続窓とも言える。

ミースやコルビュジエを感じ、アアルトを感じ、桂離宮からもエッセンスをもらっている。

実際に、今建築設計に関わる人は全員と言って良いほどそれらには同じように影響を受けている。

なんとなく大枠として似た設計になりがちな昨今、この同じインプットからのアウトプットの違いが面白い。

時代や地域が違えば答えは違うのは当たり前だが、まだ定番と言えるものが無い中の先進性や挑戦を感じる。

GWにも関わらず、長時間説明していただきました。

ありがとうございました。

旅と建築は本当に相性がいい。

いつも便利な趣味で仕事だと思う。

スタッフ阿部

家のデザイン的耐久性について

みなさん、家作りを始めるときどういう家にするか考えるでしょう。

ざっくりと郊外でゆったり、自然たっぷりの場所が良い人もいるし、利便性が良い場所が最高と思う人もいるでしょう。

または、家事動線が良いとか、趣味が活きるようにとか、素材は◯◯でとか、ペットが飼いたいとか、ホテルライクにカッコよくとか。

コンクリート打ちっ放しの壁があってインダストリアルに、でも品は欲しいけど少しレトロなのも自分は好きみたい、とか。

実際に家を建設したいと思い、少しずつ自分の家に対する価値観を見つめ、そして知って行くと思います。

SNSをはじめ様々な媒体から、大多数の個人からでも情報は得られる。

その何かに影響され良いなと思う気持ち、分かります、楽しいですよね!

ただ気をつけて欲しい。

その思い描くマイホームが本質的に良いのか。

情報や流行りに流されてないか。

偏った価値観に凝り固められてないか。

60歳70歳80歳、現代の長寿命では90歳でもその家に住んでいるかもしれません。

年老いた自分がその家に住んでいることを自然に想像出来ますか?似合ってますか?

設計者としての思いは、末長く住み続けてくれることが嬉しいしそれを目指しています。

⚫︎長く住み続けられるための耐候的耐久性。

⚫︎暖かく涼しい、温熱環境的耐久性。

⚫︎飽きのこない、デザインインテリア的耐久性。

総じて時間の経過に対する耐久性が家には求められます。

1つ欠けただけでも大きなストレスとなります。

間取りや構造は設計者の領域、でもインテリアは施主の個性が出せる!

確かにそう!

でもやっぱり気をつけて欲しい。

先に伝えた内容、簡単に想像しやすくなる手段があります。

自分たちが年老いたときを仮定して、両親が住んでいると想像してみる。

さて、似合っていますか?

似合っていればそれは最高の家かもしれません。

守りに入れと言っているわけではありません。

雑誌開けば家もインテリアも千差万別。

沢山の個性に溢れ、目移りしちゃいます。

人の数だけ住まい方に違いがある。

本質的に優れた家を共に建てられればといつも思っています。

スタッフ阿部

葛岡の家 OPEN HOUSE

この度お施主様のご厚意により、オープンハウス(内覧会)を開催させていただくこととなりました。

こだわりの造作オリジナルキッチンと木製フルオープンサッシ。

コンパクトな28坪でも広々感じる設計。

随所に見られる家具屋のこだわり。

住宅性能 : UA値0.49 C値0.2

【開催場所】

仙台市葛岡(ご予約者様に現地住所をご連絡させていただきます)

【開催日時】

4月29日(土)  4月30日(日)

10:00~⑧10:00~
11:00~⑨11:00~
13:00~13:00~
14:00~14:00~
15:00~⑫15:00~
16:30~16:30〜
17:30~17:30~

ご希望の方は、事前にホームページのお問い合わせフォームよりご予約をお願い致します。

【お申込み】

ホームページCONTACTdessert-furniture.com
●下記をご記載の上お申込みください。

⑴代表者様のお名前

⑵ご連絡先(当日連絡可能な電話番号)

⑶参加人数(例:大人2名 子供1名)

⑷ご希望日時(①〜⑭)

【注意事項】

●当日体調の優れない方、体温37.5℃以上の方はご遠慮下さい

●見学時間は1組1時間が目安となります

●入り口にて手袋の配布とお手荷物をお預かりさせて頂きます

●マスク、靴下の着用をお願い致します

●プライバシーに関わる撮影やSNSの投稿はご遠慮下さい

●お車でお越しの際は1台までとさせていただきます(葛岡駅より徒歩10分程度)

●都合により日時を変更させていただく場合があります

注意事項確認の上、見学の際はご協力お願いいたします。

葛岡の家 設計の手掛り

漠然と家づくり・設計と言っても、設計者として何に気をつけているのか説明したいと思います。

重要なことは様々あれど1番の要点は「敷地を読む」ことだと思います。

方角はどこを向いていて、周辺環境はどのような土地なのかということ。

その土地はいつどの方角で太陽の日照が得られて、1番景色が良い場所はどこなのかというように。

これから葛岡の家の設計の手掛かりを説明します。

敷地から南を見る
前面道路から敷地をみる

上記写真から分かるように南側には道路を挟み隣家が立ち並んでいます。

計画地は入るために坂道をのぼり旗竿地になります。

そこが目線が抜ける最大のポイントだと読みました。

計画地の入るための道路がある限り、視線が抜ける場所です。

また計画地は斜面地が連なる土地で前面隣家より高い位置にあります。

1階リビングでも申し分ない日照が得られると思いますが、2階リビングにすれば前面隣家の屋根を超え山並みが見られると思いました。

幸いにもお施主様も2階リビングの提案に対し、ネガティブな考えは有りませんでした。

そう言った内容から、土地の長所を伸ばす2階リビングの家の設計に着手しました。

設計するにあたりどのような家が良いか意匠的なヒアリングをすることになり、お施主様が持ってきた沢山の写真に以下のものがありました。

知る人ぞ知る、永田昌民さんが設計した『安曇野の家』です。

丁度その頃は永田昌民さんの著書や作品を読み漁っていた時期だったこともあり、一気に腑に落ちました。

シンプルな屋根の掛け方。

2階リビングと南面の大開口。

威張りのない控えめな佇まい。

本当に住宅のお手本のような名作であり、私も大好きな住宅です。

そしてこちらが今回設計させてもらった『葛岡の家』の外観意匠。

底通するものがお分かりになると思います。

南面には木製サッシで大開口を配置し、その戸袋は木板で外観のアクセントとする。

ソファの位置から南西を見る

全く隣家に邪魔されない遠景も取り込めるプランになりました。

内装に関しては、普遍性が確かであれば好みを反映する形にいつもしています。

今回であれば1階天井は構造体表しで木質とし、造作する建具や家具はラワン合板とし少しレトロな印象にしました。

また少しポップな物も好きだと思ったので、小物選びでそれを反映させました。

弊社は内装を得意としてますので、そう言ったことも今後説明出来ればと思います。

このような流れで肉付けするように具体的にプランニングし提案をします。

その土地の短所を忘れてしまうくらい長所を伸ばす。

土地に対し最適化した住宅を提供することが建築士の腕の見せ所だと思っています。

お施主様のご厚意により4/29、30日にオープンハウス、内覧会を予定しています。

詳細日時は決まり次第公表致します。

スタッフabe

葛岡の家 施工日誌

足場が外れました。

ずっと足場に拘束された中工事進行していましたが、ついに全貌が露わに。

この瞬間が楽しみであり少し怖いところでもありますね。

総じてカッコよく出来てると思います!

細々、指示・手直ししてもらい、工務店さんには感謝です。

屋根はガルバリウム立ちハゼ葺き。

雨仕舞いで有利であり太陽光パネルの今後の設置でも最適な仕様です。

外壁はガルバリウム小波とレッドシダーの木板。

既製の外壁材ではなく現場で加工してもらい、角の役物と言わせるキャップが無い納まりが出来ます。

非常にスッキリとした見た目になります。

木製サッシの戸袋と部分的に合わせて木板壁でアクセントに。

雨樋はスタンダード雨樋/タニタハウジング。

ガルバリウム製の雨樋で耐久性、意匠とも高水準な商品。

樹脂製雨戸は紫外線劣化で取り返しを考えるよりガルバ製が断然おすすめです。

デンデンと言われる縦樋の取り付け金具も非常にスッキリとしています。

窓の基本仕様は複合サッシで、一部に引き込み木製サッシを採用。

2階リビングにより、土地の良さを最大限に活かす選択です。

オープンハウスを4月末に予定しています。

これから内装仕上げ工事に移行してます。

仕上がりが楽しみです。

スタッフabe