プロダクトデザイナーであり建築家としても活躍する小泉誠さんの設計した住宅を見学しました。
内部は撮影不可だったのでSNSなどから引用させてもらってます。
軒が欲しいとの要望から部分的に下屋を作り、2方向に勾配を付けている。
先に雨樋は無く勾配添いに伝っていく水が集まり、外構で作った浸透枡に落ちる仕組み。
軒先は極限まで薄くするため厚物合板で強度を取り、通気穴のパンチングは○✖️で花のように可愛らしく、小泉さんらしい。
でも合板木口の積層は出しちゃうのね、なんて考えたり。
窓際の腰掛け濡れ縁は壁からの金物で浮いてます、さすがです。
小泉さんお得意のJパネルのジグザグ階段。
隅々まで処理が綺麗、普段はダボで処理するところも今回はほぼ見受けられない。気づいてないだけか?
ぱっと見強度に不安を覚える手すり、裏でビス8点留めしてしっかりとしたものでした。
造作のキッチン。
人工大理石を正面から上面に折って、窓台と手元灯のために連ねる使い方が斬新。
リオタデザインの関本さんが、「小泉さんは線ではなく面で作っている」と言っていたのが思い出される。
引き出し・開き戸と引き手の関係がかなり巧妙で、ノイズレスにコーディネートされている。
キッチンは見た目はもちろん使い勝手を追求するところなのでいつも参考に注目しています。
階段上がった2階の家族共用のスペース。
ペンダントライトがオリジナルで可愛らしい。
ワークデスクにはライン照明を組み込んでいる。
足物は配線のための空間を設けており、甲板との線のやり取りやタップによるコンセントの増設、またルーターも入る仕掛け。
そのため前板は簡単に外れます。
床付近の丸穴が指掛けです。
窓の下枠の作り方も個性的。
下に折り返して、あたかも角材がめり込んでいるような意匠。
空間でも白の空間に木の塊があるとか、塊に塊がめり込むようなことをよくやってるそれなのか?
収納豊富な主寝室。
棚の扉は壁とゾロにし、面を揃えている。
棚は縦4ブロックあるが右の1ブロックは扉を付けクローズにすることで、面の繋がりを強調してるように思う。
故に綺麗で整っている印象。
小泉さんは良くやるが、中段の飾り棚は扉勝ちで天板は負かす。
それだけで塊感が増す。
巾木・大輪や支輪は基本無し。
扉は当たり前だが、棚も天井との取り合いで少し透かして逃げている。
何でもかんでも、透かすのがいいとか、ぶつけるのがいいとか、そういうわけではなさそう。
色は大体白・黒・木でコーディネートするが、日焼けするのを小泉さんは嫌うのか?木部はうっすら、木目を殺さないように白に塗装。
写真はないですが、タイルの納めやカーテンについても綺麗な納まりが満載でした。
今はもう相羽建設さんのYouTubeチャンネルである程度見ることは出来ますが、本当にすごくてびっくりして、改めて空間に身を置く、見る、体験する大切さを感じました。
スタッフ阿部